昔々の中国の人は、現在の私たちが行っている分数の計算と同じような、分数の加減乗除の計算の規則を持っていました。
中国では分子が分母より小さな分数(真分数)を多く使っていました。
ところが、古代エジプトでは分子が1の分数(単位分数)だけを使って、いろいろな分数を表していました。
これをエジプト式分数(エジプトしきぶんすう)といいます。
例えば、
5/6をあらわしたい時は、1/2 + 1/3
2/5をあらわしたい時は、1/3 + 1/15 といった感じです。
計算をする上では断然中国の分数のほうが有利です。
なんでこんな風に分数を表したのかはよくわかりませんが、ヨーロッパでは17世紀まで使われていたそうです。
また、現在の分数の計算はインドの数学者のおかげですが、18世紀まで余り普及しなかったそうです。
「エジプト式分数を長く使用したせいで、数学の発展を遅らせた」という人もいました。
でも、面白いこともあります。 例えば 5/6について問題を作ってみます。
「5本のフランスパンがあります。これを6人の子供に分けるには、どんなふうに分けたらいいでしょう?」
エジプト式分数を使うとこうなります。
「まず、3本のフランスパンを半分に切ります。1/2本が6個できました。」
「次に残りの2本を3等分に切ります。1/3本が6個できました。」
「はじめの 1/2本と次の1/3本を一つずつ6人に配れば完了です。」
私は自分で問題を考えて、自分で解いてみて、「凄いなあ」と思いました。
こういうのを自画自賛といいます。
が、エジプト式分数の知識が少しあったのでできたことです。
やっぱり凄いのは古代エジプト人ですね。